人生の質(QOL Qority of Life)向上の為のワンポイント

 

ピーター・センゲへのインタビュー(4)リーダーたちへの提言

 

(※動画の右下にあるCCボタンを押すと日本語のキャプションが読めます。
※キャプションは画面上でドラッグすると位置を移動することができます。)

 

話し手: ピーター・センゲ(MIT上級講師・「学習する組織」【The Fifth Discipline】著者)
聞き手: 小田理一郎(チェンジ・エージェント、「学習する組織」共訳者)

 

インタビュー2011年6月下旬にアメリカ

 

4つの質問
ピーター・センゲ氏から日本の皆さんへの力強く暖かいメッセージを是非ご覧ください。

 

 

 

 

質問:

 

日本のリーダー全般に対して、ご著書から、またはこの本の中でご自身が提唱されている手法から何を得たり学んだりしてほしいと思いますか? 
日本のリーダーたちに向けて、どんなことでも最後にひとことお願いします。

 

ピーター・センゲ:

 

私は、リーダーの究極的な特徴、つまりリーダーであることを決定づける特徴は、

 

役に立ちたいと願う気持ちだと常に思ってきました。

 

 

 

それが見失われてしまうことがよくあるのですが、それは権力があったり、影響力があったりするためで、あるいは富があるせいかもしれません。
リーダーになるとこれらがどれもついてくるのです。主には権力ですね。
真に役立つ可能性のある何かが起こるのに手を貸す機会は少ししかないということを忘れてしまうのです。
ですので、とりわけ悲劇が起こったときに人々は、これが本当に互いの役に立つことなんだということにはるかによく気づくようになるのではないでしょうか。

 

アメリカには、30〜40年前に「サーバント・リーダーシップ」について書いたロバート・グリーンリーフというすぐれた作家がいました。
この人は大きな影響を及ぼしました。
人々の心に共鳴したんでしょうね。その精神である「リーダーであることは奉仕者であること」は、いまの世界でとても重要なことだと思います。
なぜなら解毒剤が必要とされているからです。
生態学的観点から私たちが自然に引きつけられがちな権力、影響力、富の魅力に対してバランスをとる必要があるのです。

 

ではそれを相殺するような働きをするのは何でしょう? 
それは、私たちには何と言ってもひとつの根本的な目的があるということ、そしてそれは人の役に立つことだということを知ることだと思います。
グリーンリーフはずっとビジネスの世界で生きてきたのですが、そのことを知らない人がたくさんいました。
グリーンリーフがずっと身を置いてきたAT&Tには、それを知っているリーダーが数人いました。
ごく数人の並はずれた人たちがリーダーの立場から並み外れたことを成し遂げるのを目のあたりにしていたのです。

 

こういったリーダーたちをかたちづくり、彼らにめざましい効果をあげさせているものは何かについて、グリーンリーフは何度も何度も考えました。
そして、それは理想主義であることではなく、極めて現実主義であることだという結論に達しました。
自分の仕事は真に人々の役に立つことだと考えているリーダーたちは、面白いことにはるかに多くのことを成し遂げていたのです。
そして人々は、それを成し遂げているのは自分たちだと感じていました。
グリーンリーフは、結局のところリーダーの究極的な貢献とは、周りの人々が成長すること、それも人間的に成長することだと考えたのだと思います。

 

 

 

この原則を簡潔に言い表している言葉が老子の『道徳経』にあります。

 

老子はその中で

 

「悪いリーダーとは人々が軽蔑する人。

 

よいリーダーとは人々が尊敬する人。

 

偉大なリーダーとは人々に『自分たちの力でこれをやった』と言わせる人」

 

と述べています。

 

これこそが究極の貢献で、リーダー自身の姿は見えません。その状況にいないも同然になっているわけです。

 

 

 

私は常に、私たちが開く会合やワークショップなどでは、参加者全員が互いに感謝し合っているのが確認できればそれが最高だと思っています。それぞれが「リーダー役」だった人のところに言って感謝の言葉を述べる。すると「ところで、こちらもあなたの存在に感謝していますよ」と言う状況です。みんなが互いに感謝し合うのにとても忙しいのは、自分たちはものすごく特別なものを共同で生み出したという感覚をもっているからなのです。これこそが真のリーダーシップというものです。

 

 

 

◆ピーター・センゲの紹介

 

マサチューセッツ工科大学の上級講師です。
著書である『The Fifth Discipline: the Art and Practice of the Learning Organization』
(『学習する組織―システム思考で未来を創造する』、英治出版2011年)は、
ハーバード・ビジネス・レビュー誌より、-過-去75年間における最も優れた経営書の1つであると評価されました。

 

Business Strategy(1999年9月/10月号)では、センゲ博士を、
「この100年の間に、ビジネス戦略上の最も大きな影響を与えた24人の1人」であると述べています。

 

(紹介文:SoLジャパンホームページより)

 

【学習する組織】
ピーター・センゲへのインタビュー より
http://change-agent.jp/news/archives/000460.html

 

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